ご案内

国際航空市場においては東京−ホノルル間に香港の航空会社は自由に路線を設定することができない。
すなわち、原則として、「香港製のラーメンは東京では売ってはいけない、東京では高い日本製のラーメンを買いなさい」ということになっている。
そして、香港↓東京↓ホノルルというお客さんの場合に限って、特別に、香港価格で日本製のラーメンを食べさせてあげましょう、という制度になっている。
規制がなくなれば、すなわち、安い香港製ラーメンを東京で売れるようにすれば、この問題はかたづく話であり、結局のところ、自国航空会社を保護するための国際航空の制度が問題ということになる。
B市場対応の方向別格差はあって当然方向別格差や発地国別格差の問題に関して指摘しておくべき重要なことは、異なる路線は異なる市場であり、規制制度によるものであって、市場の状態によって発生しているわけではないから、望ましいものではないが、市場対応の方向別格差はあって当然である。
同様にして、市円高の長期的影響と国際競争先に述べたように、円高は日本の航空会社には差益を発生させることが小さく、その意味での円高差益還元要求は的はずれである。
しかし、円高は、もし国際航空市場が自由競争下にあれば、それとは別の形で、日本国民に還元されるはずのものである。
円高は円建て費用の比率が大きい会社ほど不利であり、小さいほど有利である。
したがって、日本の航空会社には不利に、外国航空会社には有利に働く。
これは相対的に日本の航空会社の競争力低下をもたらす。
このような事態におちいった時、自由競争下にある通常の商品ならば、円高の結果、「輸入」品が増加し、これに対抗して国産品も価格引き下げないし製品差別化競争を行うはずである。
もし国産品が製品差別化や合理化に失敗すれば、市場撤退を余儀無くされるだろう。
自由競争市場であれば、このように、為替変動という両国の経済構造の相対的変化を示すシグナルに反応して輸出入に変化がおこり、より適した生皮体制・産業構造への転換が促される。
このような国際競争は、言うまでもなく、誰でもどこでも輸入品と国産品の両方が選択可能であるからおこり得る競争である。
国際航空についても同様の議論展開が可能である。
日本の航空会社の費用が高いなら、それに乗りたい人はそれに見合った高い価格を支払うべきである。
しかし、ほかの航空会社が安いならば、それを選択する自由もあってよい。
われわれは、韓国でつくった自動車にも日本でつくった自動車にもアクセス可能である。
また、生産者は、日本の自動車をどこの国でも基本的には自由な価格で販売できる。
航空についても同様でなければならない。
日本の消費者に対して、消費者が望むならば、香港製、東京製いずれの航空サービスも東京で供給可能な制度になっているべきだし、その価格が異なってもかまわないはずである。
参入と価格が自由ならば、外国航空会社の日本発運賃引き下げにより、本邦企業も運賃引き下げを強いられ、日本発運賃は低下する。
これを規制によって抑えていることが本質的な問題である。
さらに、競争が有効であるためには、日本製品と香港製品の識別が商標によってなされていなければならない。
すなわち、香港製のサービスと日本製のサービスが同じ航空券で搭乗可能である現行システムは必ずしも絶対的である必要はない。
どの航空会社にも通用するチケットがあってもよいが、総てのチケットがそうである必要はない。
方向別格差と輸入航空券の問題は、本来市場によって決定されるべきものに政府が介入することからおこる歪みである。
市場を自由にしてやればこれらの歪みは存在しなくなるし、その結果発生する運賃格差は、むしろ望ましい格差である。
したがって、基本的な議論のは、国際場の競争を抑制することが理由である。
しかし、これは現在ではマイナスであることは第2章で述べたとおりである規制緩和と競争促進の流れは、好むと好まざるとを問わず、航空会社にとって既に与件となっており、世界の航空会社は生き残りをかけて熾烈な争いを演じている。
今後航空会社が生き残っていくためのサバイバルプランの要点は、@コスト競争力の向上、Aマーケティングの改善による製品競争力の向上、B長期的な企業戦略の確立、にある。
このうち、Bにおいてはネットワークの形成とグローバル化か大きな経営課題である。
ここでは、この課題達成にとって重要なキーファクターとなるハブ&スポークーシステムを中心に、Cハブ&スポークーシステムとはハブ&スポークーシステム(以下HSSと呼士とは、空港を車輪の軸受(ハブ)にみたて、そこに航空路線(スポーク)を集中させる経営戦略をさし、米国の国内航空自由化政策導入に伴って顕著となった。
ハブとして路線の集中を受ける空港はハブ空港と呼ばれる。
ハブの本来の定義自体は、複数の路線が集中する空港総てをさし、米国では、規模によって、大ハブ、中ハブ、小ハブといった区別がなされている。
また、国際航空では、欧州やアジアといったそれぞれの地域の中でその地域の代表としての地位を争う規模の空港はグローバルーハブ、近距離の国際線や国内線の結節点としての機能を有する空港はリージョナルーハブと呼ばれることがある。
交通は一般的にツリー状のネットワークを形成するが、航空の場合も例外ではなく、このようにハブの階層化が成立するのだが、あるいはリージョナルーハブ以上の空港が念頭に置かれている。
HSS形成の基本原理航空会社にとって、HSS形成の目的は、ハブに旅客を集中させることによって各路線の輸送量を太くし、それによって単位あたりコストの低下ないしは便数増を可能とし、競争力を向上させようという点にある。
この基本原理を図4−1〜3によって示そう。
これにおいて、ニューヨーク、シカゴ、ハンコック、シンガポールの四都市間には各々一〇〇人の需要があり、これをa社が一〇〇席の機材で一日一便運航していると仮定しよう。
ここでハブ空港を中間に新たに設置し、ニューヨークーバンコック間、ニューヨークーシンガポール間の各々一〇〇人の客を二〇〇人にまとめてニューヨークからHに、また、シカゴーバンコック間およびシカゴーシンガポール間の客あわせて二〇〇人もまとめてシカゴからHに運び、そこからハンコックあるいはシンガポールに二〇〇人ずつ運べば、四都市とHの間の各路線の旅客数はいずれも二〇〇となる。
これにより、従来の100席の機材に代えて二〇〇席の機材が使用でき、コストダウンによって価格競争への対応が可能となる。
あるいは、機材の大きさは従来と同じ100席のままで、各路線の便数を二倍の二便に増やすことができ、便数競争への対応が可能となる。
これが航空会社がHSSをすすめる基本原理である。
図412では「ハブ空港Hを新設する」という仮定をおいたが、ハブは何も新設であるたとえば、図4−3のように、Hと同様の地理的条件のところに既設空港のトーキョーがあれば、トーキョーをハブにすることも可能である。
もしニューヨークートーキョー間にオリジナルな需要が二〇〇人あるとすれば、ニューヨークーバンコックおよびニューヨークーシンガポールの需要と併せてニューヨークートーキョー間は旅客数四〇〇人となり、この区間では四〇〇席クラスの広胴機の採用あるいは一層の便数の増加が可能となり、新設のHをハブとするよりずっと有利になる。
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